コーヒー豆の焙煎
精製された生のコーヒー豆は、焙煎されることで香りと味を生み出します。基本的に焙煎は消費国で行われ、大部分はロースターと呼ばれる大手のコーヒー豆卸業者が行いますが、コーヒー豆小売りを行う販売店や喫茶店などで自家焙煎されることもあります。
特に難しい技術ではなく家庭で生の豆から焙煎することも可能で、近年は生の豆の小売も多く見られるようになりました。
家庭ではフライパンや焙烙、ギンナン煎りに用いる金属製の手網などで焙煎していましたが、最近は焙煎機(コーヒーロースター)が普及しているので、それらの専用の機械で行われるのが一般的です。
焙煎される豆の温度は200℃にまで達し、一般での焙煎には10分~15分の加熱時間を要します。
また、焙煎方法は加熱原理と熱源の違いによって次のように分類されています。
- 直火焙煎
- 熱風焙煎
- 遠赤外線焙煎
- マイクロ波焙煎
- 過熱水蒸気焙煎(日本独自)
- 上記の複合
- 半直火焙煎:熱風焙煎+直火焙煎
- 炭火焙煎(日本独自):熱風焙煎+遠赤外線焙煎
- セラミック焙煎(日本独自):直火焙煎+遠赤外線焙煎
焙煎の度合い
コーヒー豆は焙煎の度合いによっても風味が変わり、焙煎度が低い物を浅煎り、高い物を深煎り、その中間を中煎りと呼びます。
ただ、これは明確なルールで決まった呼び方ではないため、焙煎業者によって異なり、日本では8段階で表記されていることもあります。
浅煎りされたコーヒー豆は薄い褐色で、深煎りへと進行するにつれて黒褐色へと変化し表面に油がにじみ出てきます。
一般的に浅煎りは香りや酸味が強く、深煎りは苦味が強いと言われています。
コーヒーの焙煎度
浅煎り
- ライト・ロースト(light)
- 10~14分ともっとも浅い焙煎度。色は黄色味のある小麦色。
- 抽出してもコクや香りが出ないため、そのまま飲むのには適しません。
- 基本的にはテスト用。
- シナモン・ロースト (cinnamon)
- 焙煎時間は14~16分。ライト・ローストは基本的にテスト用のため、実質、唯一の浅煎り。
- その名の通り、シナモン色でライト・ローストに比べ、香りは出ています。
- 酸味のある良質な豆向きの焙煎度。
中煎り
- ミディアム・ロースト(medium)
- 16~18分焙煎した中煎りで、色は栗色。
- 酸味と苦味が生まれますが、口当たりは柔らかい焙煎度合い。
- アメリカンコーヒーに適しています。
- ハイ・ロースト(high)
- 日本ではポピュラーな18~20分焙煎したやや深めの中煎り。
- 色は濃い茶色になり、酸味が抑えられ、苦味と甘みが増してきます。
- シティ・ロースト(city)
- 喫茶店やカフェでは標準的な焙煎度合いで、深い中煎りで、20分から21分焙煎したもの。
- 名前のシティはニューヨークだというのが一般的なんですが、一説だとも言われていますし、そうするとフルシティってどういう意味かということになるので、由来の一説と思った方がいいのかもしれません。
酸味と苦味のバランスが落ち着き、ロースト香が強くなります。
深煎り
- ライト・ロースト(light)
- 10~14分ともっとも浅い焙煎度。色は黄色味のある小麦色。
- 抽出してもコクや香りが出ないため、そのまま飲むのには適しません。
- 基本的にはテスト用。
- シナモン・ロースト (cinnamon)
- 焙煎時間は14~16分。ライト・ローストは基本的にテスト用のため、実質、唯一の浅煎り。
- その名の通り、シナモン色でライト・ローストに比べ、香りは出ています。
- 酸味のある良質な豆向きの焙煎度。