コーヒーの効能
習慣性
コーヒーの成分に含まれるカフェインには軽い精神依存性を引き起こす働きがあり、軽度の習慣性につながることがあります。
また、一日に300mg以上(コーヒー3杯に相当)のカフェインを常用していると、カフェイン禁断頭痛と呼ばれる一種の禁断症状が現れることも。
これは最後のカフェイン摂取から24時間以上経過すると偏頭痛様の症状が現れるというもので、カフェインを摂取すれば短時間で治まりますが、カフェインを摂取しなければ2日程度継続することもあるのだとか。
ただし、これらの症状は麻薬類やニコチン、アルコールと比較して、きわめて軽微なものだと考えられており、規制や年齢制限などは必要ないと考えられています。
急性作用
コーヒーを摂取して、数分から数時間に出てくる代表的な作用として後述のようなものが挙げられます。
これらの急性作用は遅くとも一日以内には消失するものであり、健常時には特に健康上の問題を引き起こすことはないと考えられていますが、過度に摂取した場合やそのときの体調によっては一過性の問題を起こすことがあります。
特に消化器疾患、高血圧、パニック障害などの疾患がある場合などは、通常であれば問題のない作用が有害に働くことがあるため、注意が必要です。
繰り返しますが、本来、これらの作用は軽微なものであり、健常時に飲む分には問題ありません。
- 中枢神経興奮作用(精神の高揚・眠気防止/不安・不眠)
- 骨格筋運動亢進作用(筋肉の疲労を取る/ふるえ)
- 血圧上昇
- 利尿作用
- 胃液分泌促進(消化促進/胃炎を悪化させる)
- 血中コレステロール(LDL, TC)増加
- 大腸ぜん動運動の亢進(緩下作用/下痢)
慢性作用
コーヒーを長期間に亘って飲み続けた場合、以前は体に悪い効能に関する研究が多かったのですが、それらのほとんどは後の研究によって否定されています。
近年の研究では低血圧症、高血圧症の場合、血圧値を正常値に戻す働きがある事が指摘されていますし、善玉コレステロールを増やすなど心筋梗塞の予防にも役立つとの指摘もあります。
ただし、これらの研究も単一成分の効能であったり、いまだ議論の続いているものもあるので、後述のリストを参考にしてください。
- 発症リスク低下(ほぼ確証):パーキンソン病・大腸がん・直腸がん・2型糖尿病
- リスク低下の報告あるが論争中 :アルツハイマー病・肝細胞がん・胆石
- リスク上昇の報告あったが後に否定された:高脂血症・膵臓がん・心不全・十二指腸潰瘍
- リスク上昇の報告あるが論争中:関節リウマチ・高血圧・死産リスク・骨粗鬆症・膀胱がん
- 発症リスク上昇(ほぼ確証):(今のところ特になし)
他にも民間療法的な効能が紹介されることがありますが、信頼性は低いと考えた方がいいと思います。