コーヒーの品種
世界で栽培されているコーヒーの品種は、約8割を占めるアラビカ種 (Coffea arabica) と残り2割のロブスタ種 (カネフォーラ種、 C. canephora )。以前はこの2種にリベリカ種 (C. liberica) を足して、コーヒーの3原種と呼んでいましたが、リベリカ種は病害に弱く品質面でも劣るため、全生産量の1%未満になっています。
栽培の過程で変異種が発見されたり、品種改良が行われたことによって、栽培用の品種が200種類以上存在します。
特に全生産量の8割を占めるアラビカ種は品種改良が進んでいて、ブラジルとコロンビアでは現在でもさかんに行われており、以前は2大品種と呼ばれたティピカとブルボンも収量が多く病虫害に強い品種に置き換えられてきました。
その結果、現在ではコロンビアではカトゥーラとバリエダ・コロンビアが、ブラジルではカトゥーラ、カトゥアイ、ムンド・ノーボが主力品種となっています。
反面、これらの改良品種よりも以前のティピカやブルボンの方が風味に関して優れていたと主張する人も多く、これらの生産量の少ない古い品種を高価値のコーヒーとして取引する動きが出てきました。この動きは、生産地の貧困問題を解決するためのフェアトレード運動とも連動しています。
主な栽培品種
- アラビカ種 (Coffea arabica)
(レギュラーコーヒー用)- ティピカ
- スマトラ
- モカ (品種) :コーヒー豆の銘柄としての「モカ」とは意味合いが異なる。
- ブルー・マウンテン (品種):コーヒー豆の銘柄としての「ブルーマウンテン」とは意味合いが異なる。
- コナ
- ブルボン
- カトゥーラ
- ムンド・ノーボ
- カトゥアイ
- マラゴジッペ
- アマレロ
- ゲイシャ
- ロブスタ種 (Coffea canephora)
(主にインスタント用、あるいは廉価なレギュラーコーヒーの増量用として用いられる) - リベリカ種 (Coffea liberica)
(高温多湿の気候に適応するが病害に弱い。品質もアラビカ種に劣るとされる) - 交雑種 (アラビカ種とロブスタ種の交雑種)
- ハイブリド・デ・ティモール
- アラブスタ
- カティモール
- バリエダ・コロンビア